飛来中や落下中の物との衝突でも車両保険が支払われない場合

道路上では様々な事故にあうケースがありますが、イレギュラーなケースであればあるほど、保険金が支払われるかどうかは保険会社の対応によります。

飛来物との衝突でも車両保険金が支払われない場合

ある車が路上で前の車の外れたタイヤがバウンドしてよける間もなく衝突をしてしまいました。

相手の車は早々に立ち去ってしまい相手方のいない事故です。

被害者の方は車両保険に加入していたので、車両保険の適用になると考え車両保険の申請をしました。

「飛来中または落下中の他物との衝突」による損害は車両保険の補償範囲内で、いわゆる飛び石により車両損害を受けたケースと同様に補償がされるものと考えていました。

しかし、保険会社からは保険金を支払うことはできないという回答がありました。

飛来中、落下中以外の場合のものと衝突しても車両保険では補償できないという回答でした。

タイヤは道路中に寝ていた、あるいは空中に浮いていてもバウンドしているというのは空中を「落下」しているのではなく、地面にはねているということで「飛来中または落下中の他物」に該当しないという見解でした。

かなりの屁理屈でまともな金融機関との争いとは思えませんが、自動車保険の保険金支払の紛争はこのような話はよくあります。

結局は和解で解決

その後、訴訟となり地裁で勝利したものの、控訴をされ、その後裁判所の和解提案により、保険金の支払は全面的に認められて決着することになります。

保険会社は過去の保険金支払いの実績とずれが出てしまったり、未来の保険金支払いも支払実績が出来てしまうと不都合なので、かなりしつこく争ってきます。

金額によっては心が折れてしまいそうですが、裁判の判決は割と私たちの常識の感覚に近いことも多いです。

保険会社が必ず正しいと思わずに徹底的に争うというのも時には必要なのかもしれません。

保険会社によって異なる飛来物との接触による補償範囲

本記事で紹介したタイヤとの衝突や飛び石などの飛来物と接触をした場合、通常は車両保険に加入していれば飛来物によって破損したフロントガラスやボンネットの修理費用は補償されます。

補償対象となる事故や飛来物の定義は保険会社によって異なりますが、一般的には「飛来中の落下物」との衝突による発生した事故は車両保険の対象になります。

今回のような落下物の定義から保険会社にごねられてしまうと契約時点では判断することはできませんが、保険加入時にどのような内容の事故が補償されるかは確認しておいた方が良いでしょう。

補償対象がフロントガラスの傷のみで、サイドガラスやリアガラスは補償対象外となっている場合もありますし、どのような損害であれば補償がされるのかも合わせて確認しておくのも重要です。

微妙な事例については保険会社の誠意に任せるしかない部分もありますが、利用者としてもまさかの事態にならないように事前にしっかり確認しておく必要があります。

車両保険は保険料が割高なことが多いので、このような事例を警戒するのであれば、事故の際の車両の損害は自己負担をすると決めて、車両保険に加入しないというのも選択肢としてはあると思いますので合わせてご検討ください。