対物賠償保険の特徴と補償範囲
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対人賠償保険と並んで自動車保険の基本的な保障である対物賠償保険ですが、何となく理解していて意外に何を賠償しているか理解していないことはあると思います。
そこで対物賠償保険の補償範囲と特徴を見ていきましょう。
自動車保険の対物賠償保険の補償範囲
自動車保険の対物賠償保険は、交通事故で起きた損害のうち、相手の車や公共の建物等、他人の物を破損して発生した損害賠償金額を補償する保険です。
またこの場合の損害額とは物そのものの損害額だけでなく、その物が使えなかったことで起きた損害も含まれます。
例えば営業用の車を破損したことによる営業上の損失も対物賠償保険の対象に含まれるということを意味しています。
なお、注意点として以下のようなケースの場合は対物賠償保険の対象外となります。
詳細は保険会社によって異なりますので、契約の際は補償対象外の条件を確認する必要があります。
- 契約者、運転者およびその家族が所有するものの損害
- 台風、洪水、地震など自然災害で生じた損害
- 契約者が故意に起こした事故による損害
対物も高額賠償があるので無制限が基本
同じ相手方に与えた損害でも対人補償が自賠責保険で上限付きで補償されるのに対して、
対物賠償は自賠責保険の補償対象外です。
そのため対物賠償に備えるには任意保険の契約が必須であるといえます。
対物賠償は対人と比較して金額が小さいイメージを持っている方もいますが、
対物賠償は高額の場合、賠償額が億を超えます。
具体的な補償額は自動車保険で必要な補償額と高額賠償事例で紹介していますが、
高額賠償に備えて対物賠償保険に契約するのが一般的です。
補償金額については対人賠償保険と同様、補償金額の上限が決まっている保険と、無制限に補償する保険があります。
高額賠償となった時は億を超えることを考えると補償は無制限にしておくのが安心であり常識です。
■自動車保険の対物賠償保険
- 事故等で「物」に損害を与えた場合に賠償金額を補償する保険
- 「物」が使えなかったことによって発生した損害賠償も補償される
- 自分や家族の物の損害額は補償されない
対物賠償保険の補償額を無制限にした方が良い理由
対物賠償保険は任意保険に必ず付帯する保険ですが、補償額を無制限とするか、上限を設定してその分保険料が割安にするかを選べますが、補償額は無制限にするのが常識です。
理由は対人賠償保険と同じ考え方になりますが、高額賠償に対して備えるという点と、保険料がそれほど割安にはならないという点にあります。
■対物賠償保険の補償額を無制限にした方が良い理由
- 対物であっても支払不能な高額賠償となるリスクがあるため
- 補償額に上限を設定しても保険料がそれほど割安にならないため
対物の損害賠償は、対人と比べると高額にならないイメージがありますが、対人との比較ではなく実際にどれくらいの高額の賠償があるかを認識して補償額を決めることが重要です。
実際の高額賠償事例を見ると、高額な積荷があったり、店舗との事故による損害など、億を超える賠償事例もあるようです。
このような事故を起こしてしまった場合に対物賠償の上限が3,000万円としていたら、当然差額については自分で支払う必要があります。起こる確率は低いかもしれませんが、高額賠償がある以上備えておいた方が良いですよね。
また、一般的に補償額に上限を設定してもそれほど保険料が割安にならないことが多いようです。具体的な保険料は見積もりをしないとわかりませんが、自動車保険に加入する意味は事故時の損害賠償のリスクを最小限にすることです。
上述した通り、対物賠償保険にも対人並の高額賠償が存在する以上、リスクを最小限にするには補償額を無制限にするのが賢明です。多少の保険料の違いであればなおさら補償額に上限を設定する意義は薄いといえます。
相手の車の修理代が対物賠償保険の補償額を上回る場合
対物賠償保険に加入していて、補償額が無制限であっても、対物賠償保険が支払う保険金は損害を与えた時点での時価になります。
一方で損害賠償請求されるのは、原状復帰にかかった費用で車の場合は修理代金となる場合があります。
そのため、年代物の車で時価が低く、修理代が高い場合は、修理代が時価を上回るケースがあります。その場合、対物賠償保険では全額を支払うことができずに修理代と時価の差額を自分で支払わないといけません。
そのような場合でも修理費用全額を支払ってくれる特約が「対物超過修理費用特約」です。
保険会社によって、対物賠償保険に自動で付帯する場合もあれば、追加で保険料を支払って付帯させる場合もあります。
詳細は別の記事で紹介していますが、法的に賠償すべきなのは、対物の場合損害を与えたものの「時価」ですので、修理費用ですので特約なしの対物賠償保険で必要額は補償されるため、当サイトではあまりおすすめしていません。
実際の示談交渉では特約で補償されるのであれば、修理費用との差額分も保険から支払うことで示談交渉をスムーズに終わらせることもできるため、付帯させているケースも多いですが、保険料との兼ね合いで検討をする必要があります。
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