地震による車両損害時に車両保険が使える場合と使えない場合

東日本大震災などがあり、地震のリスクに対して敏感になっている方も多いと思います。

それでは地震の時に自分の車が壊れた場合、その修理費用には車両保険を使用することができるでしょうか。

結論から言うと、答えはNoです。車両保険は地震の時の損害には使用することはできません。

車両保険の補償範囲などの一般的な内容については別の記事で詳細に紹介していますので参考にしてください。

地震による車両損害時の車両保険の補償

地震によって車両が損壊したり、地震によって電柱が倒れて車両に修理が必要になったとしても車両保険では補償がされません。

車両保険は補償の範囲によって「一般車両保険」、「エコノミー型」、「エコノミー＋限定A型」がありますが、最も補償の手厚い一般車両保険でも火災などは補償がされますが、地震は補償がされません。

基本的には交通事故による損害を補償するための保険ですので、地震については全く別のリスクとして考えられ補償がされないのですね。

地震を補償する特約「車両地震特約」

それではすべての車両保険において地震によって発生した損害は補償の対象外となるかというとそうではありません。

車両地震特約（保険会社によって名称が異なる）という特約を車両保険に追加することで地震により発生した損害の修理費用についても補償がされるようになります。

車両地震特約を追加することで、地震だけでなく通常の車両保険では補償がされない津波や噴火による損害も補償がされるようになります。

■車両地震特約で補償されるケース

津波や噴火も通常の車両保険では補償対象になりませんので、車両地震特約を付帯させることで、地震、津波、噴火を含めたほぼすべての天災による損害を補償できるようになります。

「○○の時には補償がされない」という保険は加入していてどこか不安な気持ちになってしまいますし、保険は「安心」を買う商品という意味では車両地震特約を付帯させると、かなり安心をすることができます。

補償と保険料のバランスを考慮して検討

車両地震特約は東日本大震災以降、保険会社が販売を強化しており加入率も伸びています。

しかしながら車両地震特約は当サイトではあまりおすすめはしていません。

理由は保険料とのバランスが良くないと考えるからです。日本は地震大国ではありますが、車に修理が必要なほどの損害を受けるケースはほとんどありません。

まさに万が一の時のための補償といえるでしょう。そして仮に補償がされても震災レベルの地震の後では車が走るためのインフラが無事かわかりませんし、車を必要とする生活になっているかもわかりません。

そのようなケースに備えて毎月保険料を追加するというのはやはり保険料分が割高かなと思うのです。

車の補償だけでなく、家の補償についても火災保険の補償範囲に地震が入っておらず、東日本大震災の時に多くの人が困ったことで地震保険も売れていますが、やはり保険料が割高なことが多いようです。

実際に東日本大震災が起こってしまった以上、ありえないこととは言えませんが、その際の損失とこれから支払う保険料を天秤にかけて検討する必要があります。

この辺りは個人がリスクをどのように考えるかという点と、実際の保険会社の保険料によりますので何とも言えませんが、車両地震特約もリスクと保険料のバランスで加入を検討するようにしましょう。