示談で解決できない時にとる調停と民事訴訟の意味と違い
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交通事故の損害賠償額については示談交渉をして、裁判所を介さずに示談で解決することが一般的です。実際に日本の交通事故の95%は示談で解決しているといわれています。
しかし、示談交渉をしても、お互いが主張する損害賠償額に大きな開きがあり、折り合いがつかない場合は法的な手段での解決を目指すことになります。
この場合、法的手段としては調停と民事訴訟という2種類の方法があります。本記事では調停と民事訴訟の意味と違いについて紹介したいと思います。
調停は専門家が間に入って調整してくれる
調停は裁判所から調停員という専門家が間に入ってくれて、話し合いで解決策を決める方法です。
調停で合意された結果は調停書という形で文書化され、裁判と同じ効力を持つことになります。
裁判所が関わることになりますが、実際に裁判を起こすよりも費用は安く済むことが多く、専門家が入り妥当な決着を見ることができます。
相手が無茶な要求をしてきて引かない場合は、無理に示談交渉を長引かせるよりも調停に入ってしまった方が早いというケースもあります。
ただし相手方に調停に応じる義務や出頭義務がないため、必ず調停に持ち込めるというわけではありません。ちなみにこのように調停が不成立に終わることを不調と言います。
調停も難しいという場合は、いよいよ民事訴訟を検討することになります。
民事訴訟は裁判を起こすことで最後の手段
民事訴訟は裁判を起こすことです。
自動車事故の場合は、与えられた損害は民法の不法行為ということになるので、それに従い損害賠償請求をするということになります。
民事訴訟は示談交渉や調停などと比べてお金も時間もかかりますが、訴訟を起こすことで相手は訴訟を無視することはできませんし、出頭要請もできますので、悪質な相手との交渉や他の方法で解決を見られない時にとる最後の手段ともいえます。
一方で訴訟となると弁護士を雇うことになるので弁護士費用がかかり、損害賠償額によっては赤字となる場合もあります。
民事訴訟の結果、裁判所が判決を下すこともありますが、内容によっては裁判所から和解勧告があり、判決ではなく話し合いで和解するということもあります。
和解した場合も和解調書を作成することになり、裁判と同じ効力を持つことになります。
できる限り示談で解決したいものですが、相手のあることですので、場合によっては法的手段をとることも検討しないといけません。2つの手法の違いを理解した上で検討をするようにしましょう。
- 調停は裁判所から調停員を出してもらい話し合いで解決すること
- 民事訴訟は裁判によって損害賠償額を決めること
- 民事訴訟は弁護士費用等で赤字になることもあり時間もかかるので最後の手段
弁護士費用特約の補償範囲
示談をするにしても、調停、民事訴訟に持ち込むにしても、交通事故を起こした場合の各種交渉において、弁護士の協力や法律についての相談は不可欠です。
弁護士へ相談する場合には当然費用がかかりますが、その場合の費用は保険会社の保険金からは出ないので自己負担をするのが原則になります。
自動車保険には事故時の弁護士費用を補償してくれる弁護士費用特約という特約を付帯することができるところが多いです。
弁護士費用特約を付帯しておけば、弁護士や司法書士への報酬が1事故1名につき300万円程度が補償され、弁護士への法律相談も1事故1名につき10万円程度が補償されます。
■弁護士費用特約の補償範囲
- 弁護士、司法書士、行政書士への報酬:1事故1名につき最大300万円程度
- 弁護士への法律相談:1事故1名につき最大10万円程度
事故の加害者となった場合、必要となる費用は被害者への損害賠償金だけだと考えがちですが、実際には弁護士費用などの諸費用がかかる場合が多いです。
弁護士費用特約の保険料は保険会社によって異なりますが、1,000円から3,000円程度で付帯させることができますので、不安な方は特約に加入しておいても良いと思います。
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