交通事故時の示談交渉と保険会社の示談代行サービスの内容

自動車保険における示談交渉とは裁判をせずに当事者間の話し合いで解決・和解をすることで、主に損害賠償額（示談金）の決定をすることにあります。

示談が成立した場合は、その後のトラブルを防ぐために示談書を作成してお互いが保管するのが一般的です。

示談書を作成して示談をしたら、仮に新たな事実関係が分かったとしてもその後から損害賠償額を増額したりといった権利を主張するのは難しくなります。

保険会社の示談代行サービスとは

任意保険に加入していると、基本的には保険会社が示談交渉をしてくれます。

これを示談代行サービスといい、車対車の事故であれば双方が被害者であり加害者ですので、お互いの保険会社が間に入って示談交渉を進めてくれます。

示談交渉の最終的な目的は損害賠償金で決着をつけることになるので、その重要な要素となるどれくらいの損害が出たのか？という「損害金額の算出」とどちらにどれくらい事故の責任があるかという「過失割合」の交渉が示談交渉の肝といえます。

保険会社同士の交渉というと、大手の保険会社の方が有利なように聞こえますが、実際は事故の過失割合は裁判事例をまとめた判例タイムズというものがあり、事故の状況ごとに細かく過失割合が決まっています。

判例に従って過失割合を決定していきますので、特に交渉が強い保険会社、弱い保険会社というのはありません。

保険会社の示談代行サービスが利用できないケース

保険会社による示談代行サービスは場合によっては利用できない場合があります。

それは以下のケースです。

■保険会社の示談代行サービスが利用できないケース

まず過失のない人は示談代行サービスを利用することができません。

過失のない人の場合、損害賠償責任はすべて相手方にあることになり、そのため自分の保険を使用することがないためです。保険会社の示談代行サービスは保険金の支払が前提にある時にしか使えないのです。

そうはいっても交渉することもあるし、保険会社に間に入ってほしい。保険料を支払っているのだからいいではないか。と思う方もいると思いますが、保険会社はやりたくてもできないのです。

保険金の支払いがないのに示談代行をしてしまうと、弁護士法に抵触する可能性があるということで、保険金の支払いがあるときのみ保険会社は示談交渉をしてくれます。

同様の理由で、保険を使用せず自賠責保険を使用するというケースで示談交渉だけ任意保険の保険会社にしてもらうということもできません。

ただし、保険金は示談交渉の結果確定するものなので、示談交渉の結果任意保険の保険金の支払いがなく自賠責保険だけになったという場合は問題ありません。