記名被保険者の名義変更する場合の等級引継ぎの原則と例外

別の記事で車両の入れ替えや買い増しの時に自動車保険の等級が引き継げるかということを紹介してきました。

上記のようなケースは保険の契約車両が変わったり、増えるというケースでしたが、本記事では契約車両は変わらずに「自動車保険の名義変更をした場合」の等級の引継ぎについて紹介したいと思います。

誰に名義変更するかで等級の引継ぎルールが変わる

自動車保険の名義については別の記事で詳細を紹介していますが、保険の名義には「契約者」「記名被保険者」「車両所有者」の3種類があります。

まず本記事で紹介する名義変更は記名被保険者の名義変更の場合です。

自動車保険の等級は記名被保険者の事故率ですので、契約者、車両所有者は等級に関係ありません。そのため契約者、車両所有者を変更しても等級には影響がないためです。

記名被保険者の名義変更による等級の引継ぎは誰に名義を変更するかで引継ぎの可否が決まります。

原則以下の場合にのみ等級の引継ぎが認められています。

■名義変更により等級の引継ぎが認められるケース

このように配偶者や同居親族への名義変更であれば、等級引継ぎが認められています。

逆に別居の親族への名義変更や個人から法人への名義変更時の等級の引継ぎは認められていません。

5級以下の等級で車両所有者の変更がない場合は例外

上記以外のケースで等級が引き継がれる例外が1点あります。それは悪い等級の場合です。

5級以下の等級(1級-5級)の場合で、車両所有者の変更がない名義変更の場合は
悪い等級が引き継がれます。

具体的には、事故歴があり、3級の等級となっている人が車両所有者の変更がなく記名被保険者のみを他人とした場合は、名義変更後の等級は3級（事故がない場合は4級）ということです。

このようなルールは悪い等級になった場合に記名被保険者を変更して等級をリセットしてしまおうという行為を防ぐためにあります。

悪い等級となってしまった場合、記名被保険者の名義を変更して新規扱いとしようとつい考えてしまいますが、そのようなことはできないよということですね。

等級を引き継ぐことによる保険料への影響

記名被保険者を変更する際に等級を引き継げるかどうかを見てきました。

自動車保険にこれから加入する人は等級が引き継げることにより、保険料がどれくらい変わるのかわからない人もいると思います。

実際に等級が1等級上がることにより保険料がどれくらい安くなるかは保険会社や等級によって異なりますが、大体1%から5%保険料が安くなることになります。

中でも等級が悪くなると1等級ごとの保険料の割増率の差が大きくなり、等級によっては10%から20%も割増率が変わることになります。

上述した通り、悪い等級の場合は等級を引き継ぎたくなくても引き継いでしまうことがありますが、なるべく有利な等級で契約する方法を選択する必要がありますね。

年齢が若い人など元の保険料が高くなりがちな人は特に等級による割引の効果が大きくなっていますので、子供が免許を取得したり車を購入した時などは家族内の誰の名義で契約するのが一番得なのかも検討したいですね。

自動車保険の記名被保険者は主に運転をする人なので、全く運転しない人を記名被保険者にするなど嘘の情報で登録するのは申告義務違反となりますが、認められている範囲内で最もお得になる契約方法を考えるのは重要なことですので、当サイト内の情報なども参考にされて保険料を安くする方法をぜひ考えてみてください。