車検切れの車が起こした事故で自動車保険が使えるかどうかのポイント

車検切れの車を運転中に事故を起こしてしまった場合に任意保険や自賠責保険は使えるのでしょうか。

車検切れの車が起こした事故で自動車保険は使えるか

結論としては、原則補償の対象となります。

対人賠償保険、対物賠償保険など相手方への補償の場合と、人身傷害保険や車両保険など自分方の補償、また自賠責保険で若干考慮する点が違いますので、各保険におけるポイントを見ていきましょう。

対人賠償・対物賠償

対人賠償保険や対物賠償保険については問題なく補償がされます。

念のため契約している保険の約款の免責事項に無車検運行に関する記載がないか確認しましょう。

1点注意点としては任意保険は「自賠責保険で支払えない分の金額を補償する保険」であることです。

普段であればそんなに気にする必要はありませんが、車検切れの場合自賠責保険も切れている可能性がありますので、その場合は自賠責分の支払いは自己負担となり、自賠責保険の補償額を超える額分が任意保険から支払われることになります。

人身傷害保険・車両保険

人身傷害保険や車両保険のように自分方への補償については、契約内容や状況によって異なりますが、過失の有無を保険会社がどう判断するかによります。

通常、人身傷害保険や車両保険は契約者に「重大な過失」があった場合は補償外となる契約になっています。

重大な過失は故意に起こした事故などを想定されていますが、無車検運行が「重大な過失」となるかどうかがポイントとなります。

車検切れを把握していたにも関わらず走行している場合など、悪質性が高まるほど保険会社の判断が変わってくると思われますので重大な過失とみなされる可能性が出てきます。

また実際に保険を使用できることになっても車検切れという過失があることで保険金が減額される可能性も大いにあります。

自賠責保険

自賠責保険は、通常車検のタイミングで加入更新する保険ですので車検切れの状態で走行していると自賠責保険も切れている可能性が高いです。

保険が切れている場合は当然補償もされません。

自賠責保険の契約期間は車検期間の1か月先までとなっていることも多いので、車検切れから1か月以内であれば自賠責保険が有効である可能性もあります。

自賠責保険が有効であれば事故への補償は車検切れに関係なくされます。

保険は使えてももちろん罰則がある

任意保険や自賠責保険が使用できても、車検切れの車で公道を走ること（無車検運行）は道路運送車両法違反となります。

無車検運行による罰則と行政処分は以下の通りです。

■車検切れ状態で公道を走ったこと（無車検運行）の罰則

また、車検切れのときは多くの場合自賠責保険も切れていますので、自賠責保険をかけずに車で公道を走ることは合わせて法令違反となり、以下の罰則・行政処分があります。

■自賠責保険がない状態で公道を走ったことの罰則

私の知り合いでも車検をうっかり忘れていてなんてことはありましたが、立派な法令違反ですのでかなり注意して車検切れということは絶対になくさないといけませんね。