自動車保険の役割と必要性
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自動車保険は自動車事故が起きた際にかかるお金を補償してくれる保険として考えている方は多いと思います。
ただ、自動車保険で「何を補償すべき」で、「何が補償されない」のかと聞かれると即答できない方も多いと思います。
自動車保険を選ぶ際には自分が必要な補償を考えて選ぶことで、もしもの時も安心ですし、保険料も節約できます。
まずは自動車保険の基本と仕組みを知ることで、自動車保険で補償しないといけないものや自動車保険に加入しても補償されることのない責任を見ていきましょう。
交通事故で発生する責任は3種類ある
まず自動車保険は交通事故が発生した責任の一部を補償するというのが基本的な役割です。
死傷者が発生する交通事故の加害者になってしまった場合に発生する責任は以下の3種類です。
- 刑事上の責任
- 民事上の責任
- 行政上の責任
刑事上の責任とは他人を死傷させたということを刑法上問われる責任で、業務上過失致死や業務上過失傷害、傷害致死や殺人罪などの刑事罰が科されます。
民事上の責任とは死傷させてしまった相手に与えた損害を賠償する責任のことで、慰謝料、損害賠償請求などはこの民法上の責任によります。事故を起こした運転手は民法709条の不法行為責任、運転手の雇い主には民法715条の使用者責任、事故を起こした自動車の所有者には自賠法3条の運行供用者責任がそれぞれ問われます。
行政上の責任とは道路交通方に違反している場合は運転手に違反点数や反則金、運転免許証の停止や取り消しなどの行政処分が行われることをいいます。
自動車保険で補償するのは賠償金の補償
見ていくとわかりますが、自動車保険で補償するのは民事上の責任である賠償金の補償であり、刑事上の責任や行政上の責任ではありません。
そのため自動車保険に加入すれば交通事故を起こしても良いというものではなく、自動車保険の補償は高額になることもある損害賠償額の補償に限られるという点を理解しておきましょう。
とはいえ、自動車事故は被害者が死亡・後遺障害となることもあり、一般人では支払うことのできないほどの額を賠償する必要がある場合もあります。
自分の人生がそれだけで終わってしまうこともありますし、なによりも万が一の際に被害者の方への賠償が不完全とならないようにきちんと備えておくべきなのが自動車保険なのです。
高額賠償であっても交通事故の被害者への補償責任を果たすことと、加害者が賠償負担によりその後の人生に支障をきたさないようにするという2点が自動車保険の役割であるといえます。
刑事上の責任と行政上の責任
自動車事故における民事上の責任は、自動車保険によって補償をすることになりますが、事故を起こすと多くの場合、刑事上の責任、行政上の責任も発生します。
刑事上の責任は上述した通り、過失によって人を死傷させた場合に刑法、道路交通法上問われる罪のことです。
どのような罰に問われるかは事故のケースによって異なりますが、交通事故によって問われる中でも重い罪と処罰は以下の通りです。
■交通違反における処罰
- ひき逃げ:懲役5年以下、100万円以下の罰金
- 飲酒運転:懲役5年以下、100万円以下の罰金
- 酒気帯び運転:懲役3年以下、50万円以下の罰金
- 共同危険:懲役2年以下、50万円以下の罰金
このように刑事上の責任は実刑と罰金という形で果たすことになります。
一方、行政上の責任とは、交通事故や交通違反の程度によって免許の取り消し、停止に関わる点数をつけられるものです。
駐車違反やスピード超過で切符を切られるというのは、この点数を加算されることで、一定期間の合計点数によって免許の取り消し、停止の措置が取られます。
誤った行為に対する罰という意味では刑事上の責任も行政上の責任も同じですが、刑事上の責任は国が刑罰として行う刑事上の責任であるのに対して、行政上の責任は行政機関である公安委員会が行政上の目的として免許の取り消し、停止を行うものです。
- 刑事上、行政上の責任はともに誤った行為に対する罰という意味では同じ
- 刑事上、行政上の責任は管理する機関が異なる
このように取り仕切る機関が違うことにより刑事上の責任、行政上の責任と分けて考えられていますが、ドライバーにとっては罰則規定として理解しておく程度で良いでしょう。
双方の罰則は重いものが多く、年々厳格化されていますので、ドライバーとしては、交通ルールを守って安全運転を心掛ける必要がありますね。
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