死亡事故被害者の方の葬儀へ加害者が参列することの意味
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自動車事故で被害者が死亡した場合、加害者は被害者の葬儀やお通夜に出るべきでしょうか。
結論としては、加害者の心情としては葬儀に参列した方がよいですが、事故の被害者遺族からは参列を拒絶されることが往々にしてあります。
しかし、被害者に拒絶されるだろうからと加害者側が勝手に判断をして、葬儀に参列しないという判断をしてはいけません。あくまで加害者としては被害者およびその遺族の方へ謝罪の気持ちを誠意をもって伝える必要があります。
- 加害者側が勝手に葬儀に参列しないという判断をせず、被害者およびその遺族の方へ謝罪の気持ちを誠意をもって伝える
加害者が葬儀に参列の意思も示さないと、被害者の方の中には、加害者が葬儀の時にも顔を見せずやり取りは保険会社に任せっきりにしているととらえて、非常にネガティブな感情を抱かれる方もいます。
非常に難しいところではありますが、家族の命を奪われて簡単に許したくないという気持ちや誠意を見せてほしいという気持ちを併せ持つのは当然のことですので、事故の加害者としては被害者の遺族の方の心情を考え、とにかく誠意を尽くすという姿勢が重要です。
死亡交通事故の加害者の罪
死亡交通事故の加害者の罪は状況によっても異なりますが、自動車運転過失致死罪(刑法211条2項)で7年以下懲役または禁錮または100万円以下の罰金の罪が科せられるケースが多いです。
■死亡交通事故の加害者の罪
- 自動車運転過失致死罪(刑法211条2項):7年以下懲役または禁錮または100万円以下の罰金
刑事罰が科せられることになりますが、実刑までいくのは「初犯でない」「飲酒運転」「危険運転」「事故時に警察に通報していない」「謝罪・反省の意思がない」「被害者と示談がすんでいない」といった要素を複数満たす悪質な事案で、多くは執行猶予付きの判決や不起訴となるケースが多いようです。
被害者と示談がすんでいるかどうかは大きなポイントで、示談がすんでいると被害者家族が損害賠償面では納得されていると考えられます。
示談がすんでいるかどうかが実刑となるかのポイントであることから、示談を保険会社が急がせたり、逆に被害者遺族側が加害者に重い刑を科すために示談を先延ばしにするというケースもあります。
このようなことでさらにトラブルが泥沼化することもありますので、加害者としては被害者が加害者に重い刑を望むのは様々な面で納得がいっていないことの表れであるととらえ、決して逆恨みをせず、被害者に誠意を見せ続けることが重要です。
また被害者としては、視点を変え、示談交渉を引き延ばし加害者との関係を続けることよりも、事故から早く切り替え新しい生活を始めるということが重要だと考えられるとこのような不幸にはならないのかもしれません。
いずれにせよ、死亡交通事故の加害者が被害者の葬儀に参列することの意味は誠意を見せることです。被害者感情を考慮してできる限りのことをするようにしましょう。
交通死亡事故の発生件数推移
日本では交通事故で2013年に4,373名の方が亡くなっています。
4,373名という数は多いですが、昭和45年のピーク時には16,765名もの方が亡くなっていますので、当時から比較すると3分の1以下の数になっています。
■交通死亡事故の発生件数推移
出典:全日本交通安全協会
警察やドライバーの方の努力もあるでしょうが、シートベルトの義務化や最近では飲酒運転の厳罰化など、死亡事故につながりやすい危険な行為に対して規制を強めることで、交通死亡事故は減少の一途をたどっています。
もちろん、亡くなられた方のご遺族や関係者の方の悲しみを考えると、1人でも死亡者が出ているうちは満足してはいけないことですが、減少傾向ということで良い方向に向かっているといえます。
最初から誰かを死亡させようとして車を運転する人はいませんが、自動車事故により他人の人生を奪い、それによりその人の関係者や自分の人生がめちゃくちゃになる可能性があります。
その意識が運転を続けるうちに薄れてしまう人もいて、だからこそ死亡事故が起きてしまうのでしょう。
事故は起こさないのが一番ですが、車を運転する以上、「私は絶対に事故を起こさない」と考えるのは慢心かもしれません。
万が一に事故が起きてしまった場合に、経済的にも精神的にもきちんと責任をとる準備だけはしておかないといけないのかもしれません。
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