自賠責未加入車と事故にあった場合の「政府保障事業」

公開日:2015年10月11日

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自賠責保険は法令で加入が義務付けられている強制保険ですが、125CC以下のバイクなどは車検がないため、公道では意外に自賠責保険未加入車と事故にあうことはあります。

そのような方に事故を起こされた場合、自賠責保険にすら入っていない人たちですので、賠償金の支払能力がない場合も多いです。

だからといって泣き寝入りする必要はありませんので、本記事では自賠責保険に未加入の人と事故にあった場合の保険金の支払いについて紹介します。

保険未加入者やひき逃げの場合、被害者救済として国の制度がある

  • 自賠責保険未加入者に事故を起こされた、またはひき逃げされた場合、自賠責保険の補償範囲で政府が肩代わりしてくれる政府保障事業がある

冒頭のような保険未加入者やひき逃げなど犯人が分からない場合の損害については、被害者救済の観点から損害賠償額を国が立て替えてくれる「政府保障事業」という制度があります。

事故の被害者は国から損害賠償額がもらえるため、事故の被害にあったにも関わらず賠償がされないという事態を避けることができます。

また政府保障事業は加害者が本来支払うべき金額を立て替えているだけですので、加害者の賠償責任がなくなるわけではなく、加害者は今後国に賠償金を支払うことになります。

■政府保障事業のしくみ
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出典:国土交通省

■政府保障事業への請求の流れ
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出典:国土交通省

事故の損害賠償額を支払う能力のない人と事故をした、またはひき逃げをされた場合、損害賠償額を国が肩代わりしてくれる制度が政府保障事業といえます。


政府保障事業の補償額

政府保障事業で立て替えてくれる支払限度額は自賠責保険と同額になっていて、けがの場合は120万円、死亡の場合は3,000万円、後遺障害の場合は最高4,000万円となっています。

■政府保障事業の支払上限額

  • けが(障害):120万円
  • 死亡    :3,000万円
  • 後遺障害  :等級により最大4,000万円

このように政府保障事業で補償をしてくれるのは、自賠責保険の補償金額と同額で、発生した損害賠償金額すべてを支払ってくれるわけではない点に注意しましょう。

自賠責保険の補償金額を超えた損害賠償額は、通常であれば任意保険から支払われますが、自賠責保険にも加入していない人が任意保険に入っていることは稀ですので、支払い能力がなければその分は政府保障事業からは支払われません。

  • 政府保障事業で補償されるのは、自賠責保険の補償金額相当まで
  • 任意保険で補償される金額は無保険車傷害保険などでカバーする必要がある

無保険車傷害保険など、任意保険の中で自賠責保険の補償金額を超える金額を保障しておくと、保険会社から保険金が支払われて、損害賠償額が支払われないという事態を避けることができます。


自賠責保険に未加入の場合の罰則

自賠責保険に未加入で公道を走るというのは法令違反になるので、捕まった場合以下の罰則があります。

■自賠責保険に未加入の場合の罰則

  • 罰則:1年以下の懲役又は50万円以下の罰金
  • 点数:6点

上述した通り、自賠責保険に未加入の状態で事故を起こした場合、発生した損害賠償金は被害者へ国が一時的に支払っても、加害者の賠償責任がなくなるわけでなく、国へお金を支払わないとならずすべて自己負担となります。

こうなると賠償金の負担と刑事罰があり人生を棒に振る可能性が高くなりますね。

車検切れでそのまま走行しているなど、うっかり自賠責未加入で公道を走っている方はわずかながらにいると思いますが、自殺行為ですので自分のためにも自賠責保険の期間などは把握して無保険期間は必ずなくすようにしたいですね。

  • 無保険車との事故にあった被害者は加害者に支払能力がない場合に、国が損害賠償額を立て替えてくれる政府保障事業という制度を利用することができる
  • 政府保障事業の限度額は自賠責保険と同額
  • 加害者は国へ損害賠償額を支払わないといけない


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