2005年の保険金不払い問題の原因となった付随保険の支払漏れ
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保険会社が決められた保険金を支払わない不払い問題が以前ありました。
過去2005年に発覚した保険会社の不払い問題は、生命保険、損害保険会社が金融庁からの業務改善命令を受けるなど社会問題となり、顧客からの信頼は落ち、不払い金の支払いにより経営も苦しくなり、生命保険・損害保険業界に大きな影を落としました。
それでもまた、2014年の2月6日に大手損害保険会社が自動車保険の保険金を不払いしていたことがわかり話題となりました。
その他にも自動車保険業界には保険金不払いの事例が多くあります。
「不払いの問題となっているのはどのような保険の支払いなのか?」「私たちにできる防衛手段はあるのか?」など、不払い問題について考えていきたいと思います。
本記事では大きな社会問題となった2005年の不払い問題の概要と問題の原因となった保険を見ていきます。
2005年の不払い問題の概要
問題発覚の発端となったのは2005年9月に金融庁が各保険会社へ付随保険の保険金支払い漏れの調査報告を依頼したことによります。
付随保険とは特約で付帯するような事故時の代車費用や対人賠償臨時費用などの保険金のことで、この付随保険の保険金が契約者から請求がなければ支払われていないケースがあるということで一斉調査となりました。
調査結果は48社中26社に付随保険の保険金支払漏れがあり、総数約18万件、支払漏れ金額は約84億円にも及びました。8割以上が自動車保険の支払いにおいて発生した不払いだったのです。
不払いの原因を保険会社は対外的には手続き上のミスとしていましたが、社会的には保険会社が故意に保険金の支払いをせずにいたとみられ保険会社への信頼は失墜しました。
1件当たりの支払い漏れは4万6千円で高額ではありませんでしたので、本当にミスと見ることもできますが、ミスにしてもあまりにお粗末な内容でありました。
金融庁は支払漏れのあった保険会社へ業務改善命令を出しましたが、その後も支払漏れは次々と発覚し、その度に社会的信用を無くしていきました。
保険会社は時間をかけて社会的信用を回復させるとともに、不払い問題の再発防止に全力で取り組むことが必要です。
2014年2月に発覚した「対人臨時費用保険金」「対物臨時費用保険金」「人身傷害臨時費用保険金」の不払いは13万件もある可能性があります。
2003年以前は顧客から請求がなかった金額は支払わないという方針で運用していたため、2005年の問題時にカウントされていなかった事案です。本件は不安が再燃というよりは過去の負の遺産が残っていたという感覚なのでしょうが、保険会社の対応が注目されています。
契約者は保険内容の確認を欠かさないという姿勢が求められる
2005年から続き2014年まで発生している保険金の不払いの多くは、契約者が請求をしなかったために支払われなかった保険金です。
当然保険会社に支払う義務があり、支払漏れをなくすために保険会社が努力すべきことです。
以前の保険会社は契約者の申し出がない限り支払わないというスタンスをとっていた時もありましたが、2005年以降保険会社は申し出の有無に関わらず、付随保険であっても保険金の支払い漏れがないようシステム化して対応をとっています。
そのため現在は契約者が申し出なくても、保険金は支払われます。しかし、2014年でも不払いの問題が発生していることを考えると完璧とは言えず、私達も自己防衛の精神を持つ必要があります。
具体的には自分の保険内容をきちんと把握して、事故時に使用できる保険や特約はきちんと請求をすることです。完全に把握していないというケースでも保険会社に確認して請求漏れがないように努めることです。
逆に言うと、内容のよくわからない特約などには加入せず、最低限の補償でシンプルな保険を心がけるのも保険料の面からもおすすめのスタンスといえます。
- 不払の対象となった保険は主たる保険に付随する保険
- 18万件、84億円もの支払い漏れがあった
- 自分の補償内容を理解するとともに補償は最低限とする
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