死亡事故の原因となる法令違反は居眠り運転が最も多い
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交通事故の死亡事故が起きる際にどのような原因で起こっているかがわかると多少気を付けることができるようになります。
以下は警察庁が発表している法令違反別の死亡事故の発生件数の推移です。
■法令違反別死亡事故件数の推移
出典:政府統計の総合窓口
死亡事故の原因の法令違反は漫然運転が最も多い
■事故の原因となる法令違反
- 漫然運転:17.6%
- 脇見運転:14.0%
- 運転操作不適:11.7%
- 安全不確認:10.6%
- 歩行者妨害等:6.4%
- 最高速度違反:5.6%
原因となった法令違反別に見ると、漫然運転が最も多く17.6%、次いで脇見運転で14.0%、以降運転操作不適が11.7%、安全不確認が10.6%、歩行者妨害等が6.4%、最高速度違反が5.6%となっています。
漫然運転と脇見運転は似ていますが、脇見運転が景色や建物などを見ていたり、車内のカーナビ、エアコン等の操作をしていて前方の道路状況の確認を怠って運転することを指します。
一方で漫然運転は運転中に運転以外のことを考えて注意力散漫になり、結果前方の道路状況の確認を怠ってしまったことを指します。
居眠り運転も漫然運転に含まれることから漫然運転が最も多い死亡事故につながっているものと思われます。
漫然運転、脇見運転は安全運転義務違反となり、違反点数は2点、3ヶ月以内の懲役または5万円以下の罰金となります。
■安全運転義務違反(漫然運転、脇見運転)の違反点数、罰則
- 違反点数:2点
- 罰則 :3ヶ月以内の懲役または5万円以下の罰金
高齢者ドライバーの増加に伴い運転ミスによる死亡事故が急増
前年からの比較で言うと、運転操作不適が74件増で前年比+19.7%と急増しています。
原因は高齢者ドライバーの増加です。
以下は法令違反別の死亡事故件数の占める割合を高齢者と高齢者以外の世代で比較したものです。
■高齢者と高齢者以外の運転手による法令違反別の死亡事故件数の占める割合
出典:政府統計の総合窓口
他の世代と比べて突出して運転操作不適が占める割合が多いことがわかります。
運転操作不適が多い高齢者ドライバーが増えたことから全体の運転操作不適による死亡事故件数が増加したものと思われます。
世の中全体が高齢化が進んでいくのに伴い、公道にも高齢者のドライバーが増えています。
2013年の死亡事故による死者も高齢者が半数以上を占めています。
交通事故の死亡者数は13年連続で減少しているので、今後高齢者の被害者・加害者を減らしていくためのルールつくりや取り組みが求められます。
死亡事故を起こしてしまった時の責任
交通事故を起こした場合には、免許証の違反点数が加算されるだけでなく、損害賠償金を支払ったり、反則金が科されたり場合によっては懲役刑が科せられることもあります。
交通事故で被害者を死亡させてしまった場合の刑事上の責任はさらに重くなり、自動車運転過失致死罪という罪に問われ、7年以下の懲役・禁固または100万円以下の罰金に処されます。
加害者が危険運転をしていた場合には、さらい危険運転致死傷罪に問われ最低20年の懲役に問われます。
このように、自動車事故で相手を死亡させた場合には相当に重い罪に問われます。普通の人であれば人生が一変し、罪を償うことに残りの人生の多くをささげることになります。
さらに、行政上の責任として、被害者を死亡させた場合には違反点数20点、免許の再取得ができない欠格期間1年が科せられます。
■被害者を死亡させた場合の違反点数
- 違反点数:20点
- 欠格期間:1年
刑事上の責任と比較すると、罰は軽いものではありますが、一発で免許取り消しがされ最低でも1年間免許を取ることができないので、事実上ドライバーとしては失格の烙印を押されることになります。
上記は被害者を死亡させたという点の行政処分ですが、実際にはその他の道路交通法違反も犯している場合がほとんどですので、これよりももっと厳しい処分が下されると考えて良いでしょう。
自動車の死亡事故は被害者の命を奪うというだけでなく、加害者の人生も終わらせる可能性が大いにあります。また被害者、加害者の関係者にも大きな被害を被らせることになるので、言うまでもなく絶対に起こしてはいけません。
技術的な問題もありますが、何よりも重要なのは絶対に事故を起こさないという気持ちです。
運転に慣れてくると、軽微な違反はどうってことないと考えたり、多少無理な運転をする人もいますが、改めて自動車を運転するということがどれだけの人の人生を変える力を持っているのかを理解し、最大限の注意を払って運転をする必要があります。
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