飲酒死亡事故の道路交通法上の扱い(違反点数や欠格期間)

公開日:2015年10月24日

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交通事故を起こした場合は様々な責任を負うことになります。

不幸にも被害者がなくなってしまった時や、運転者が飲酒運転であった場合はさらにその責任は重くなります。

多額の損害賠償金を請求され、自動車運転過失致死傷罪などの刑事罰に問われることになりますが、飲酒運転で、人を死亡させている場合は道路交通法上の罪も重いです。

本記事では飲酒運転で死亡事故を起こしてしまった場合の道路交通法上の扱いを見ていきたいと思います。


飲酒死亡事故の道路交通法上の扱い

  • 飲酒死亡事故は、飲酒運転と被害者を死亡させた罪が二重で問われる
  • 被害者の死傷の状況により罪の重さが変わる
  • 飲酒量により罪の重さが変わる

道路交通法では飲酒運転をしたことと、被害者を死亡させた場合の罪は別々に考えられ合計されます。

まずは死亡事故を起こした場合の罪は以下の通りです。

■被害者を死亡、けがをさせた場合の違反点数

被害者の状態 違反点数 欠格期間その他
死亡 20点 1年
治療期間3月以上の重傷事故
または特定の後遺障害が伴う事故
13点 免許停止
全治30日以上3か月未満のけが 9点 免許停止
全治15日以上30日未満のけが 6点 免許停止
全治15日未満または建造物損壊 3点

死亡事故、傷害事故の違反点数等を記載しましたが、死亡事故を起こした場合は20点の違反点数に加えて、事故前歴がない場合でも一発免許取り消しとなり、1年間免許取得が認められない欠格期間となります。

飲酒運転でない死亡事故の場合は20点の上記のようになりますが、飲酒運転の場合はさらに飲酒運転の罪も加わります。

飲酒運転については「酒酔い運転」「酒気帯び運転」に分かれており、それぞれ以下の違反点数となっています。

■飲酒運転の違反点数

運転者の状態 違反点数 欠格期間その他
酒酔い運転 35点 3年
酒気帯び運転(0.25mg以上) 25点 2年
酒気帯び運転(0.15-0.25mg) 13点

飲酒運転は最も悪質な酒酔い運転の場合は35点の違反点数、酒気帯び運転でアルコール濃度が0.25mg以上の場合は25点、0.15mg-0.25mgの場合は13点の違反点数となります。

15点以上で前歴なしでも免許取り消しとなりますので、酒酔い運転、酒気帯び運転(0.25mg以上)の場合は一発で免許取り消しとなり、0.15mg-0.25mgの場合も一度でも前歴があれば、一発で免許取り消しになります。

このように、飲酒運転でも死亡事故を起こした場合でもそれぞれ重い罪がありますが、飲酒運転で人を死亡させた場合は最高で55点(20+35点)の違反点数となります。

もちろん一発で免許取り消しとなりますし、前歴なしの場合でも欠格期間が7年となります。

死亡事故を起こした場合は損害賠償も高額ですし、刑事上の責任もあるので、懲役刑となる可能性も高く、免許の取り消しなどは当然という感覚になりますが、とにかく刑が重いので、飲酒運転はまずしないことが重要です。

飲酒運転は罰則も強化され、車両提供者は運転者と同じ罪になり、かつ同乗者や酒を提供した人にも準ずる罰が与えられますので、自分が車両提供者、同乗者、酒類の提供者となるような場合も、運転者となる人が飲酒するのを絶対に止めるようにしましょう。


飲酒運転による死亡事故の発生件数推移

飲酒運転は度重なる規制の強化が行われているため、死亡事故の発生件数は減少の一途をたどっています。

直近では、飲酒運転による死亡事故の発生件数は238件となっています。

■飲酒有無による死亡事故件数の推移
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出典:政府統計の総合窓口

飲酒の有無で見ると、飲酒なしの死亡事故件数が3,582件ですので、現在は飲酒なしの事故の方が10倍以上多いということになります。

以前は飲酒運転による死亡事故が、死亡事故全体の半数を占めていたことを考えると、罰則の強化が飲酒運転を減らし、結果的に飲酒運転による死亡事故件数も減少させていることがわかります。

もはや飲酒運転することにはリスクしかありませんので、当然といえば当然で、逆にまだ200件以上も発生している点が不思議なくらいです。

今後さらなる罰則の強化もありえますので、本当に飲酒運転による死亡事故が0件になる日が来るかもしれませんね。


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