入院時の差額ベッド代の扱いと保険金が支払われるか

人身事故の被害者となった時にけがの治療をすることになりますが、けがによっては入院をすることになり、けがによっては長期の入院を迫られることもあります。

入院費用の中には「差額ベッド代金」という料金がかかることがありますので、長期入院になるとその分の費用が気になる人が多いと思います。

入院時の差額ベッド代金の扱い

差額ベッド代金とは、健康保険の範囲である大部屋よりもプライベート性の高い個室や環境を利用した場合にその差額を支払う費用です。

通常、入院費用は健康保険の範囲で3割自己負担となり、さらに高額療養費制度の対象にもなるため自己負担額には上限があります。

しかし差額ベッド代は健康保険の範囲外となりますので、全額自己負担となり負担額の上限もないため、入院費用を左右する大きなポイントになることもあります。

基本的には1人から4人の個室に入院をする時にかかる費用と言われていて、患者自身が希望をしたり、差額ベッド代がかかることに同意をした際にかかることになっています。

交通事故の被害者となった場合、加害者に治療費を請求することになりますが、保険会社によっては差額ベッド分も含めて損害賠償金額に含めて補償されることになります。

単独事故の場合は、保険金で治療費が支払われる場合も基本的には差額ベッド代は支払われませんが、一部の保険会社では差額ベッド代も治療費として認められることがあるようです。

差額ベッド代は患者が希望した時しかかからない

差額ベッド代は病院によって異なりますが、平均的な差額ベッド代は1日5,000円超というデータもあります。1日5,000円だと1か月入院すると15万円の負担となります。

差額ベッド代が保険から支払われれば良いですが、保険から支払われない場合は自腹で負担しないといけないので非常に負担が重くなってしまいます。

ただし、差額ベッド代がかかる病室に入るのは患者が希望した時だけです。

厚生労働省の医療通知によると病院が患者に対して差額ベッド代金を請求できるのは、患者自らが差額ベッド代金を希望して同意書にサインをした時だけとされています。

治療の必要性がある時や患者の希望がない場合は差額ベッド料金のかかる病室に入院していたとしても差額ベッド代金を請求されることはありませんし支払う必要もありません。

つまり差額ベッド代金が保険金で支払われない場合は、差額ベッド代がかかる病室への入院を希望しなければ、健康保険の範囲を超える差額ベッド代を請求されることはありません。

これらのルールを覚えておき、万が一事故の時に病院から請求された場合は異議を訴えるなど毅然とした対応をするようにしたいですね。