無保険車傷害保険の特徴と補償範囲

自動車保険の無保険車傷害保険とは、任意保険に加入していない、または保険の補償金額が足りない相手に過失がある事故を起こされた場合に、運転者、同乗者の死傷による損害金額を相手の保険金の不足分だけ補償してくれる保険です。

任意保険に加入していないドライバーもおり、そういった人に事故を起こされると十分な保険金を支払ってもらえず治療費を自己負担しないといけなくなるリスクに備える保険です。

任意保険の加入率は約85%といわれていますが、都道府県によっても違いがありますので、特に地方に住んでいる方は任意保険の無保険車が多いので注意が必要です。

無保険車傷害保険は対人賠償保険に自動付帯する保険です。

補償金額は原則対人賠償保険の補償金額と同額が補償されますが、上限が2億円と決まっています。そのため対人賠償保険が無制限の場合も無保険車傷害保険は2億円が上限となります。

無保険車傷害保険の主な特徴は以下の通りです。

■無保険車傷害保険の特徴

なお、相手に過失がない場合は無保険車傷害保険は利用できません。その場合に補償されるには搭乗者傷害保険や人身傷害保険に契約している必要があります。

補償内容の詳細は各商品の約款等をご確認ください。

無保険車傷害保険を使用することができない場合

無保険車傷害保険は、任意保険未加入などで対人賠償などの補償が十分でない運転者との事故時に、運転者から本来支払われるはずだった損害額が支払えない時に、その分を支払ってくれる保険です。

そのため、以下については無保険車傷害保険の補償の対象外となります。

■無保険車傷害保険の補償の対象外となる金額

自賠責保険は法律で加入が義務付けられている保険で、無保険車傷害保険は自賠責保険の補償額を超える部分の損害額を補償するものです。この点は任意保険の基本的な考え方と同じですね。

なお、万が一自賠責保険にも未加入の場合は、政府保証事業という自賠責保険の補償額を国が一時的に事故の被害者へ支払う制度があるので、そちらを利用することになります。

いずれにせよ自賠責保険から支払われる保険金額については無保険車傷害保険の補償対象外となり、自賠責保険または政府保障事業の枠組みの中で損害額が支払われます。

また、一部でも相手方の任意保険から損害額の支払いがある場合は、その金額を除いた不足分の金額が無保険車傷害保険から支払われることになります。

無保険車傷害保険に加入していても、まず支払われるべきは被害者側の保険会社の保険金ですので、優先的にそちらから支払われた後、残額が無保険車傷害保険から支払われるということになります。

最後にその他受領済みの損害賠償金額がある場合は、その金額を除いた金額が無保険車傷害保険から支払われることになります。

いずれも当然の話で、忘れがちなことでもありますが、理解しておくと変なトラブルに巻き込まれる可能性も低くなり良いですね。