元受正味保険料と損害率の推移から見る業界の今後の動向

公開日:2015年10月26日

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自動車保険業界のトレンドを知る上で、自動車保険会社全体の保険料収入がどのように推移しているかを見ていきたいと思います。

ディスクロージャー誌などに記載されている保険料はいくつか種類がありますが、本記事では個々の契約者から得た保険料から返戻金を差し引いた、もっともシンプルな指標である「元受正味保険料」を使って、自動車保険業界全体の動きを見ていきたいと思います。

■元受正味保険料の計算式

  • 「元受収入保険料」-「諸返戻金(満期返戻金を除く)」

元受正味保険料は横ばいでも損害率は年々上昇

自動車保険会社全体の元受正味保険料の推移は以下の通りです。

■元受正味保険料の推移
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出典:日本損害保険協会

若干の増減はありながらも長期トレンドではほぼほぼ横ばいであることがわかります。

2013年の元受正味保険料は3兆5,927億円です。これが自動車保険業界の市場規模であり、保険会社は保険料を原資に保険金の支払いをしたりして、残ったお金で会社を運営しています。

また別の記事で紹介しましたが、自動車保険はダイレクト型の保険会社が拡大しています。

ダイレクト型自動車保険は年間10%程度の成長を見せているので、その分代理店型の保険会社の保険料収入は下落気味ということになりますね。

なので、構図としては、業界全体的に保険料が伸び悩む中、安い保険料を背景にしたダイレクト型の保険会社が代理店型の保険会社の契約をひっくり返している(シェアを食っている)という状況が見て取れます。


損害率は10年で10%近く悪化

一方で収入保険料に対する損害率が悪化していることも業界としては問題です。

損害率とは保険料のうち支払保険金や損害調査費の占める割合のことで、簡単に言うと受取った保険料の中からどれくらいの割合保険金の支払にあてたかという指標です。

契約者から100億円保険料を受け取って、60億円保険金の支払をしていたら損害率は60%となります。

以下が損害率の推移になります。

■自動車保険の損害率推移
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出典:日本損害保険協会

1995年度に59.1%だった損害率ですが、2012年度期末は68.7%と10%近く上昇していることがわかります。

10%上昇すると売上が10%減となるように感じますが、実際は経営の原資となるのは保険金を支払った残り金額です。

そのため1995年度は40.9%、2012年は31.3%となりますので20%減以上のダメージがあり、保険会社の経営への影響はとても大きいです。


悪化する損害率の要因は若者の車離れと高齢化

ここまで損害率が上昇している要因は、若者の車離れと高齢者ドライバーの増加にあると言われています。

1999年から2009年までの間に30歳未満の1,000人あたりの自動車所有台数は565台から470台まで減少しており、なんと16.8%も減少しているのです。

契約台数が減ると保険料収入は減少しますので、結果的に損害率の上昇につながります。

また高齢者ドライバーの増加も損害率上昇の要因の一つです。

高齢化社会が進んでいく中で、高齢者人口の増加に伴い高齢者ドライバーも増えています。

高齢者ドライバーは事故率が高く、アクセルとブレーキの踏み間違えなどで重大な事故を起こすこともあり、保険金支払い件数、金額ともに増加しています。

別記事でも紹介していますが、交通事故の年代別の死亡者の割合は65歳以上の高齢者が半数以上を占めるなど損害率を悪化させる要因となっています。


2013年は保険料の値上げが相次ぐ。今後は?

上述したように業界全体のパイ(保険料)は増えない中、損害率が悪化していき、保険会社としては最悪の市場環境もあり、結果として代理店型の保険会社を中心に2013年は保険料の値上げが相次ぎました。

今回見てきた元受正味保険料や損害率の問題は社会の構造から来るもので一時的なものではなく、中長期のトレンドであるといえます。

そのため今後も同様の動きは続くと思われます。

保険料の値上がりが続くと、保険料については少しでも安いダイレクト型の保険に流れる可能性があり、代理店型の保険会社ではサービスの改悪がないとも言えません。

自動車保険は1年ごとの契約になるため、有利な契約のうちに契約して先行者利益を得るということはできませんので、色々な選択肢を日ごろから比較しておくことが重要ですね。

  • 自動車保険業界全体の元受正味保険料は横ばい
  • 損害率は年々上昇している原因は車離れと高齢化
  • 損害率の悪化が進むと保険料の値上がりがある


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